四方山話(深刻編)

基本的には、大事な髪の毛の事ですから、皆さん深刻なのですが、中でも「うーん」と唸ってしまったお話です。

親子で自己破産!?

これは、先日お電話にて相談のあった件で、現在も進行中です。
それはKさん(50代女性)からの、こんなご相談の電話でした。
「息子(30代)の事ですが、私も息子も自己破産か蒸発を考えていますが、購入はできますか?」「!!!」突然の爆弾発言です!

「自己破産?蒸発!?」あまりに唐突だったので、最初はイタズラだと思っていました。話は少し横道にそれますが、
この業界、結構色々なイタズラ電話がかかってきます。下は小学生から上は80才位のご老人まで・・・
まあ、ご老人の場合は話し相手が欲しくて、電話してくるのかもしれませんが・・・イタズラ電話の中身はいずれ別の機会にお話しします。

さて、先程のKさんですが、一通り話を聞いて大体事情がわかりました。
要は、息子さんが大手メーカーで、勧められるがままに商品を購入し、借金を重ね最終的には消費者金融に手を出し、
借りては返すを繰り返し、挙句の果てにはヤミ金?にまで手を出しているのだそうです。そして、母親のKさんも息子に頼られ、
自身も借金生活になり、もう本当に首が回らないとの事です。

今まで、購入を決めたのはあくまでも息子さん本人なので、しょうがないのでは・・・?とも思いましたが、
典型的な大手メーカーを転々とするケースなので、ここに記しておきます。

①大学在学中に、抜け毛が気になり、大手育毛メーカーに相談。70万円の契約を親に内緒でローンを組む。
②その後も、抜け毛が止まらないので、相談すると色々な物を勧められて、20万円、30万円と次々に契約。
③結局、何の効果もないのでその会社に通うのはやめて、就職してからもしばらくは何もせずに過ごす。
④当時、付き合っていた彼女と別れたのは「薄毛のせい」と思いこみ、大手かつらメーカーの門を叩く。
⑤「まだかつらは早い」という事で、増毛コースを120万円で契約。この頃から、母親には打ち明けて、援助を頼むようになる。
⑥数カ月して「もっとボリュームを出しましょう」と勧められて70万円でかつらを追加で契約。
⑦1年後に「新製品が出ました。もっと髪質が良くなります」と勧められ100万円でかつらを契約。
⑧その後、3年ほどその会社に通うが、あまりにも商品の勧誘がしつこい為、他の会社の門を叩く。
⑨「当店ではしつこい勧誘など、一切ありません!」と言われ、110万円でかつらを契約。
⑩その後、当初の説明とは違い、商品の勧誘を毎月繰り返され、店長レベルにクレームを入れるが、逆に購入を勧められる始末。
⑪その後、メーカーに通うのを辞めて、母親がカットをして毎日を過ごす。

このケースの問題点は、確かにここに出てくるかつらメーカーも大いに問題があるし、購入してしまったKさんの息子さんにも問題はあります。
ただ、息子さんの勤め先の業績が悪く、給料ダウンや賞与、残業全てカットなどで、毎月の支払いが出来ず、数年前から消費者金融に
手を出し、その後、違法なヤミ金にまで手を出しているらしいのです。

そして、母親であるKさんもパートをしながらでの援助では、追いつかず、消費者金融に手を出しているとの事です。
そんな状態でも、かつらは痛んできて、毛も抜けて型も合わなくなっているので、安くて信用できそうな業者を探して、当店を見つけたという訳です。

私も、借金の法的整理の専門家でもありませんし、ましてや弁護士でもありません。
ですので、かつらを含めて一般的なアドバイス(早い内に無料で相談のできる、弁護士に話を聞いてもらった方が良い)と話しています。
実際には、任意整理や特定調停、個人再生などもあるので、「借金=自己破産、蒸発」と言う訳でもありません。
ただ問題は、違法な業者の分をどうするかというところです。これは法の専門家である、弁護士に活躍してもらう他ありません。

Kさんには、当店のかつら購入はローンで組むような高額ではないので、落ち着いたら、いつでもご注文下さいと話してあります。

現在では平成20年6月に「特定商取引法」「割賦販売法」が改正され、今後、段階的に施行される運びとなっております。
その為、毛髪業界でも無理な過剰販売はなくなる傾向にあると言えます。しかし、いまだにあるメーカーでは、手を変え品を変え・・・だそうです。

毛髪業界の販売方式と、借金について考えさせられた1件でした。

どうぞご連絡お待ちしております。

福井

≫かつらオンラインTOPへ