かつらが劣化、高いので注文(北海道)

 

かつらはAN社5年とHD社20年で約25年ほど使用しています。
今まで使っていたものが傷んで来て買換えの必要が有りましたが、かつらの値段が高いので色々探してこちらに辿り着きました。

こちらに決めたのは、ネットでのヘアースタイルの写真が、他のメーカーに比べて自分に合いそうだった為です。
もちろん、価格が安い事も重要でした。
そして、自在にヘアースタイルが変えられる(今までは髪型が変えられない)事も良かったです。

今回はコロナの関係で特殊な状況の中、こまめに進捗状況や別の対応策(合いそうな物の提案)をとってくれたのは、安心という意味でも良かったと思います。

 

上記の状況の為、大分待ちましたが、無事にオーダー製品も届きまして早速使用しています。
色々ありがとうございます。
今後もよろしくお願いします。

 

 

店長より

今回は、かつらを25年ほどご使用中の50代のお客様です。

新型コロナの始まりの頃のご注文で、お届けまでだいぶお時間がかかりました。

 

 

かつら工場と新型コロナについて

昨年から全世界で猛威を振るっている新型コロナウイルスですが、かつらの生産にもかなりの影響が有りました。

当初、かつらの業種ではコロナの影響はほとんど無いと思われていましたが、中国での生産自体がストップした時期が有り、その衝撃は予想も出来ない程、大きなものでした。

 

かつらの生産国の遷移を見ると
韓国→中国→中国と東南アジア
大雑把に言えば、この様な流れでした。

一時期は、世界のほとんどのかつらが中国で作られていましたが、中国本土での人件費の高騰から更に人件費の安い東南アジアの各国に分散されていました。

ただ、それでも昨年初頭までは、多くのかつらが中国で作られていたのですが…

 

 

 

 

元来、中国の工場は
・ベース作成や髪の毛の用意は自社工場で行なう
・植毛作業は、より人件費の安い中国の奥地(農村部)で行なう
・植毛が完成したら自社工場でベースコーティングや最終仕上げを行なう
という流れでした。

 

これが、ここ10~15年程前から
・ベース作成や髪の毛の用意は自社工場で行なう
・植毛作業は、より人件費の安い東南アジアの他の国で行なう
・植毛が完成したら自社工場でベースコーティングや最終仕上げを行なう
に変更されておりました。

まあ、作成に係る費用を安くする為に手間のかかる植毛作業は、外注(アウトソーシング)していたのですね。

実際のかつら工場の様子は←こちらからご覧下さいませ。

 

そして、コロナが大流行したことで
・植毛作業はより人件費の安い東南アジアの他の国で行なう
この部分をしなくなった国が有りました。

コロナの発生源である中国との貿易を必要最低限しか行わなくなったのです。

この動きにより、その国で植毛を行なっていたかつらや、植毛を依頼する予定だったかつらが宙に浮いたままとなったのです!
(その数、数億~十数億の在庫があると言われています。日本だけではなく、世界のかつらが有るので大変な量です。)

 

 

 

当店でも、
・植毛作業で中国以外の国に行っている注文分
・ベースや髪の毛は用意されていて、これから植毛に出す予定の注文分
・ベースや髪の毛の用意をしている最中の注文分
等々、多数のご注文分が有りまして、今後どうなるか全く分からない状況で手配に奔走しておりました。

 

コロナ禍で海外にも行けませんので、工場を探すと言っても視察も出来ません。
何とか現地の人間を使い、それぞれの状況の注文分をこなしていきました。

ベースと髪の毛が用意してあるものは、一旦引き上げて他の工場に植毛作業のみをさせたり、植毛が完了済みで輸出入が厳しくなった国から何とか送らせたり、かつらの作成自体進まなくなった注文分を他の工場に手配したり…今振り返っても思い出したくないような状況が続いておりました。

 

ただ、幸いにも当店には、長年培ってきた中国国内の人脈や、日本国内にいるかつら事業に関係する外国人のツテ等が有りましたので、何とかこの局面を乗り切れました。

 

 

現在のかつら生産を取り巻く環境

そして、現在のかつら工場の状況ですが、中国でも多くのかつらが作られていますが、そのほとんどは女性用のウィッグや比較的簡単に作成できるかつらの作成に限って行われております。

当店で使用する非常に目の細かいメッシュは、熟練の技術者や作業レベルの高い人しか出来ませんので、ほとんど中国では作られていません。
その代わりに、中国以外の東南アジアがメインで精度の高いかつらが作成されています。

 

 

 

当店でも、現在は複数のかつら工場にてオーダー品を作らせております。
やはり、1か所の工場では何か有ると身動きが取れませんので、今後はこの形にて運営をする予定です。

とはいえ、コロナ自体の終息が見えていない現在では、まだまだ工場の稼働状況も悪くて納期も通常より長くなっております。
まだまだ予断を許さない状況ですが、お客様にご迷惑をお掛けする事の無い様、今迄にも増して工場との連携に努めます。

 

 

さて、今回は上記のような「コロナ禍」で騒ぎ始めた初期でどんどん状況が悪くなった頃のご注文でした。
その為、納期が全く読めない時期も有りましたので、ご注文のご指示に近い製品をご紹介させてもらったりしました。
昨年は、条件の合う製品が有った場合は、積極的にご紹介しておりまして、非常に気に入って頂けたケースも数多く有りました。

今回のお客様の場合は、時間がかかってもオーダー品を待っていただけるとの事でしたので、お時間がかかりましたがようやくお手元にお届け出来ました。

 

お届け後、すぐにメールを頂きまして
「イイ感じです。大事に使わせてもらいます。色々ありがとうございました。」とご連絡を頂けました。

 

製品も気に入って頂きまして何よりです。
今後ともよろしくお願い致します。

感謝

福井 亮

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